自由貿易を妨げるおそれのある、国・地域ごとに異なる工業製品や農産物などの品質や安全に関する規格、規則、表示、基準・認証、検査・証明手続きなどの総称。英語の頭文字をとってTBTとよばれることもある。一般に国によって技術発展の歴史が異なるため、工業製品などには独自規格や表示基準が採用されており、他国製品を輸入する際の妨げとなることがある。また国によっては自国製品と輸入製品に異なる検査基準を設けていることもある。規格や基準が異なることで、工業製品などの貿易が必要以上に妨げられる貿易の技術的障害をなくすため、工業製品などの規格、基準、検査手続きなどを国際規格にそろえるよう求められており、日本では日本工業規格(JIS)マークやSG(安全な製品)マークを国際標準化機構(ISO)のルールに沿うようにするなどの改定作業が進んでいる。
工業技術の複雑化に伴い、世界の主要国は1979年(昭和54)の東京ラウンド(多角的貿易交渉)で、貿易の技術的障害をなくしていくための協定「ガット(GATT、関税と貿易の一般協定)のスタンダードコード」を初めて導入することで合意した。その後、1995年、世界貿易機関(WTO)の発足に伴うWTO協定には、TBT協定というかたちで貿易の技術的障害をなくす協定が盛り込まれた。WTO/TBT協定は、工業製品や農産物などの国内規格や基準、検査手続きなどを、国際規格と整合性のある制度に改定するよう求めているほか、自国製品と輸入製品を差別しないこと(内国民待遇)や、一国に適用した規格や規準は他のWTO加盟国すべてに適用すること(最恵国待遇)を要求。国内に新たな規格や基準を導入する際は自由貿易を妨げないよう、WTO事務局を通じて加盟各国に知らせることになった。また急速な技術発展にあわせ、3年に一度、TBT協定を見直す規定も盛り込まれた。なおTPP(環太平洋経済連携協定)は貿易の技術的障害の防止についてWTO/TBT協定に準拠することで合意している。
[編集部 2016年2月17日]
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