賀露神社(読み)かろじんじゃ

日本歴史地名大系 「賀露神社」の解説

賀露神社
かろじんじや

[現在地名]鳥取市賀露町

千代川の旧河道左岸、鳥取港南西の砂丘上にある。祭神は大山祇命・吉備真備猿田彦命・木花咲耶姫命・武甕槌命。境内社として水戸神社・船玉神社がある。旧県社。創建年代は未詳

「三代実録」によれば、「賀露神」は貞観三年(八六一)一〇月一六日に正六位上から従五位下に叙せられ、同一六年五月一一日に従五位上、元慶元年(八七七)六月二八日に正五位下、同年一二月一四日に従四位下、同二年一一月一三日に従四位上となっている。この急速な昇階は、当社が日本海交通の要衝地に鎮座する神であったことに起因するのであろうか。「時範記」承徳三年(一〇九九)二月二六日条によると、そう社・宇倍うべ(現国府町)などの神拝を行った国司平時範は法美ほうみ(袋川)を船で下り、三嶋みしま社へ赴いたのち再び船に乗り、「賀呂社」で奉幣を行っている。貞治三年(一三六四)には賀露社、大江おおえ(現船岡町)の両神主職などをめぐり幸千代丸が朝廷に訴えを起こしているが(「師守記」同年二月二六日条・三月六日条など)、詳細については不明である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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