質券(読み)シチケン

精選版 日本国語大辞典 「質券」の意味・読み・例文・類語

しち‐けん【質券】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中世質契約を結んだ証書として債務者債権者に出す文書。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「任質券旨、限永代光御前流、無他妨知行給之状如件」(出典高野山文書‐弘安六年(1283)二月一一日・僧五郎利銭借券)
  3. ( 多く「質券に入る」と熟して ) 質に入れること。質契約を結ぶこと。
    1. [初出の実例]「雑務条条有其沙汰、教経等勘申云、所謂父祖入所領於質券、不弁令死去之時、令与後家并子息畢」(出典:吾妻鏡‐宝治二年(1248)七月一〇日)
  4. しちもつ(質物)東寺百合文書‐ト・四六至六〇・文明三年(1471)不動堂預相論敬観目安〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の質券の言及

【借用状】より

… 古代から,貸借には担保または抵当を伴うものが少なくなく,借用状の文面にその記載のあるものも珍しくない。したがって借用状は質を目的とする証文すなわち〈質券〉と明瞭に区別し難い場合が多い。【宝月 圭吾】。…

※「質券」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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