普及版 字通 「贅(漢字)」の読み・字形・画数・意味
贅
18画
[字訓] むだ・しちいれ
[説文解字]
[字形] 会意
正字はおそらく(せい)+貝。〔説文〕六下に「物を以て錢を質(か)る。敖(がう)貝に從う。敖なるは、ほ放のごとし。貝もて當(まさ)に復(ま)た之れを取るべきを謂ふ」(段注本)とする。一度質入れして、うけ出す意とするが、敖は遊傲の意であるから、その会意の字としがたい。字はもとに従う字であろう。は〔説文〕三下に「楚の人、吉凶を卜問することを謂ひてと曰ふ」とし、「讀みて贅(ぜい)の(ごと)くす」とあって、贅と同音であるという。すなわち・贅は同声。贅はに従う字であろう。は卜問、その費を贅といい、無用のことに財を費やすを贅という。
[訓義]
1. むだ、よぶん、よけい。
2. いぼ、こぶ。
3. つぐ、つづく、かわり。
4. 入りむこ。
5. しちいれ、かた、かたのうけ出し。
6. 最と通じ、あつめる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕贅 アザ・ウム・アツム・ツキヌ・サダム・ススロ・ムサボル 〔字鏡集〕贅 ウム・ウルフ・ウフ・ナリフスベ・フスベ・ムサボル・サダム・ウカレヒト・エタリ・ツフリ・ツキヌ・アザ・ツム・モトム・ツヅル・アツム・ソゾロ・イボ・サガリフスベ・マリフスベ・ツブサ・モトモ・エタリ
[語系]
贅tjiuat、質tjietは声近く、贅を質の意に用いるのは、人を質(ち)(人質)とすることからこったかと思われる。代に、家の子は出でて贅し、三年贖(あがな)いもどさぬときは奴婢とされた。贅はもとtjiatに從う字で、は卜問。卜問のことに財を費やすことを贅といい、それが本義である。
[熟語]
贅衣▶・贅員▶・贅虧▶・贅議▶・贅及▶・贅言▶・贅語▶・贅子▶・贅辞▶・贅聚▶・贅壻▶・贅▶・贅冗▶・贅説▶・贅▶・贅土▶・贅肉▶・贅入▶・贅物▶・贅文▶・贅弁▶・贅疣▶・贅余▶・贅癰▶・贅瘤▶・贅累▶・贅論▶・贅話▶
[下接語]
贅・出贅・附贅・贅・疣贅・瘤贅
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報