改訂新版 世界大百科事典 「赤ちゃん教育」の意味・わかりやすい解説
赤ちゃん教育 (あかちゃんきょういく)
Bringing up Baby
1930年代のアメリカの〈クレージー・コメディ〉(スクリューボール・コメディとも呼ばれた)の最高傑作の映画。1938年製作。恐竜の復元に没頭する考古学者(ケーリー・グラント)と,〈赤ちゃん〉という名のヒョウをペットにしている億万長者のおてんば娘(キャサリン・ヘプバーン)が,恐竜の骨の1本をくわえて逃げた小犬が縁で出会い,ペットのヒョウと野生のヒョウが入れかわって起こるドタバタ騒動に巻き込まれる。肉屋で巨大なステーキを買い,〈うちの赤ちゃんに!〉などというギャグもある。ハワード・ホークス監督のこの作品は,50年代半ばにフランスの《カイエ・デュ・シネマ》誌の批評家たちによって再評価された。ホークス監督は,64年に《男性の好きなスポーツ》である種のリメークを行った。ピーター・ボグダノビチ監督《おかしなおかしな大追跡》(1972)はホークスのこの作品にささげられたリメークである。
執筆者:柏倉 昌美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報