赤鰯(読み)あかいわし

精選版 日本国語大辞典 「赤鰯」の意味・読み・例文・類語

あか‐いわし【赤鰯】

〘名〙
塩漬けにして赤みがかったイワシ。また、干したものもいう。節分にこの頭を柊(ひいらぎ)とともに戸口にさす。
浮世草子・好色一代男(1682)八「鴈(がん)板焼に赤鰯(アカイハシ)置合
② 赤くさびた鈍刀をあざけっていう語。また、そのような刀を持った浪人。→亭主(ていしゅ)の好きな赤鰯
※俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)巖翁独吟「赤鰯月の劒を引そばめ 藁二筋でからめとる露」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「赤鰯」の意味・読み・例文・類語

あか‐いわし【赤×鰯】

塩漬けにし、または干して、油脂が酸化し赤茶けた鰯。
赤くさびたなまくらな刀のたとえ。
「きさまたちの―で、なに、切れるものか」〈滑・膝栗毛・四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の赤鰯の言及

【イワシ(鰯∥鰮)】より

…しかし,室町期ころから宮廷でも食べていたもので,〈むらさき〉〈おむら〉という女房詞はアユ(アイ)にまさるの意によるものであった。西鶴の浮世草子には赤鰯の語が頻出する。これは塩漬のイワシのことで,正月を迎える大坂の庶民にはなくてはならぬものだった。…

※「赤鰯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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