起絵図(読み)おこしえず

精選版 日本国語大辞典 「起絵図」の意味・読み・例文・類語

おこし‐えず‥ヱヅ【起絵図】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 建物などの立体の形を平面上に図したもの。起し図。
    1. [初出の実例]「お茶牀をおたてなさるおつもりで、起絵図(オコシヱヅ)をおかきなさったがあったと申す事で」(出典人情本・縁結月下菊(1839)中)
  3. おこしえ(起絵)
    1. [初出の実例]「靖国社境内の遊就館へ近日名古屋、熊本両城の起(オコシ)絵図を陳列せらるるよし」(出典:東京日日新聞‐明治一六年(1883)九月三日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「起絵図」の意味・わかりやすい解説

起絵図
おこしえず

江戸時代,主として茶室建築対象に開発された日本建築独特の立体見取図。しなやかな厚紙を使い,平面図を基盤として,これに内面展開図外面立体図または展開図を描いた壁面を立上げ,さらに差込みで天井面,ときには屋根面を組上げて空間のありようを把握できるようにしたもの。折りたたむと平面状になり,たとうに納まる。江戸時代中期に松平不昧が多くの茶室について造らせたものが有名である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む