越知山（読み）おちさん

日本歴史地名大系

越知山
おちさん

• 福井県：丹生郡
• 朝日町
• 大谷村
• 越知山

丹生山地の西部にあり、北の福井市、西南織田（おた）町、東南朝日町の境をなす。県の指定史跡で、標高六一二・八メートルの山頂を含む一帯は、地理的には織田町内であるが、地籍は大谷寺（おおたんじ）の飛地。

泰澄伝説のうち最も古いとされ、「元亨釈書」をはじめとする泰澄の諸伝承のもととなったといわれる「泰澄和尚伝記」に、泰澄が一四歳で登峰し修行した山と伝え、のち泰澄は白山を開いた。山名の由来については、永正一一年（一五一四）八月日付社頭仏閣修理勧進状（越知神社文書）に「爰当山者白山妙理権現最初垂応之霊崛、高祖泰澄和尚久修練行之勝地也、一応攀斯峯人者、越三途八難之嶮路、知三密四曼之宝所、越知之称号誠有憑」と記す。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

日本大百科全書(ニッポニカ)

越知山
おちさん

福井県中西部、丹生(にゅう)山地西部にある標高613メートルの山。白山(はくさん)を開いた泰澄(たいちょう)大師（越(こし)の大徳）が修行して白山妙理大権現(みょうりだいごんげん)を感得した霊地で、越前(えちぜん)五山の一つである。福井市、越前町の境にそびえるが、越知神社のある山頂一帯は、大師ゆかりの大谷(おおたん)寺のある越前町に属している。南に県民いこいの森、北に武周(ぶしゅう)ヶ池があってハイキングの適地となる。第三紀の凝灰岩、安山岩からなり、山頂は南北に長い平坦(へいたん)面をもつ。JR福井駅から尼ヶ谷(あまがたに)までバス45分、下車後徒歩1時間半。

［島田正彦］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)