越路吹雪(読み)こしじふぶき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「越路吹雪」の意味・わかりやすい解説

越路吹雪
こしじふぶき
(1924―1980)

女優歌手。東京生まれ。本名内藤(旧姓河野)美保子。女学校を中退して1937年(昭和12)宝塚音楽歌劇学校に入り、39年4月宝塚歌劇の初舞台を踏む。43年主役を勤め、第二次世界大戦後スターとなり、「コーチャン」のニックネームで人気を集めた。50年(昭和25)在籍のまま映画出演、51年には帝劇のコミック・オペラ『モルガンお雪』『マダム貞奴(さだやっこ)』を演じて名声をあげ、同年宝塚を退団。以後映画と舞台にわが国を代表する女性エンターテイナーとして活躍。その間53年に初めてパリを訪れてからシャンソンに対する情熱を深め、61年『ラスト・ダンスは私に』、64年『サン・トワ・マミー』などのヒットを放つ。さらに『王様と私』『結婚物語』『アプローズ』などの翻訳ミュージカルに出演して成功を収めた。特筆すべきは生涯に35回行ったリサイタルで、15回目以降は1か月のロングランを日生(にっせい)劇場で行い話題をよんだ。

[永田文夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「越路吹雪」の意味・わかりやすい解説

越路吹雪
こしじふぶき

[生]1924.2.18. 東京
[没]1980.11.7. 東京
歌手,女優。本名内藤美保子。 1939年宝塚音楽歌劇学校卒業。『花物語』でデビュー。第2次世界大戦後,優れた歌唱力をもつ男役として売り出す。 1950年宝塚在籍のまま東宝映画『東京の門』に出演,翌年主演した第1回帝劇ミュージカル『モルガンお雪』がヒットし,続く『マダム貞奴』出演中に宝塚を退団。ミュージカルの代表作は『王様と私』 (1965日本初演) ,『結婚物語』 (1969同) ,『アプローズ』 (1972同) など。本領を最も発揮したリサイタルでは,『愛の讃歌』『ラストダンスは私に』などのシャンソンをドラマとして歌いあげる独特の「越路節」とエレガントな雰囲気が観客を酔わせた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「越路吹雪」の解説

越路吹雪 こしじ-ふぶき

1924-1980 昭和時代の歌手,女優。
大正13年2月18日生まれ。宝塚歌劇団で乙羽(おとわ)信子らと同期。戦後シャンソンをうたい,昭和26年帝劇で「モルガンお雪」に出演,日本最初のミュージカル女優となった。映画でも活躍。47年芸術選奨。昭和55年11月7日死去。56歳。東京出身。本名は内藤美保子。ヒット曲に「愛の讃歌」「ラストダンスは私に」など。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「越路吹雪」の解説

こしじふぶき【越路吹雪】

新潟日本酒。酒名は、日本海からの強い風に粉雪が地吹雪となる様子に由来。純米大吟醸酒、大吟醸酒、吟醸酒、純米酒などがある。平成2、3、9、13、15、16、18、22、26年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は五百万石、ゆきの精など。仕込み水は信濃川の伏流水。蔵元の「高野酒造」は明治32年(1899)創業。所在地は新潟市西区木山。

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デジタル大辞泉プラス 「越路吹雪」の解説

越路吹雪

新潟県、高野酒造株式会社の製造する日本酒。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。

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世界大百科事典(旧版)内の越路吹雪の言及

【軽演劇】より

…一方,劇場では55年に入って,ドイツ文学者でまたコント作家でもあった秦豊吉(1892‐1956)が実現した〈帝劇ミュージカルス〉によって,戦前の〈東宝劇団〉〈ロッパ一座〉,戦後の〈ムーラン・ルージュ〉などの長い下積みを経た森繁久弥が脚光を浴びた。56年にはさらに東京宝塚(東宝)劇場が,占領軍の接収解除によって活動を再開,東宝重役となった菊田一夫によって大劇場形式のミュージカルが提唱され,エノケン,ロッパ,トニー谷(1917‐87),三木のり平(1923‐ ),有島一郎,越路吹雪(1924‐80),宮城まり子(1929‐ )ら,戦前派・戦後派のタレントが活躍の場を得た。だが,オールスターキャスト型のこうした舞台は,かつての軽演劇のニュアンスからは,程遠いものとなった。…

※「越路吹雪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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