改訂新版 世界大百科事典 「車扱貨物」の意味・わかりやすい解説
車扱貨物 (しゃあつかいかもつ)
JRの貨車を使用して運送する貨物をいう。コンテナーを使用して運送する貨物はコンテナー貨物とよぶ。ちなみに,JRにより物を運ぶ場合,物はその大きさ,重量,種類により,荷物と貨物に区分される。一般に,物の長さが3m,重量が50kgまでのものは荷物(鉄道荷物)とされ,それを超えるものが貨物としての取扱いとなる。死体,遺骨については貨物の区分となっている。貨車には,構造,積載重量等によって,さまざまな種類があるが,託送の単位は貨車1車ごとである。例えば,荷送人が数車分の運送を申し込んだ場合でも,運賃は1車ごとに計算される。なお,特例として一荷主が列車単位,数車単位で毎日定型的に出貨する場合は,貨車1車ごとに計算した運賃の総車数分の合計額に一定の低減率を乗じた金額(定型単価という)を運賃としている。車扱貨物の運賃は,100kmまでは5km刻み,500kmまでは10km刻み,1000kmまでは25km刻み,3000kmまでは50km刻みで,それぞれトン当りの賃率が定められており,遠距離になるほど逓減されている。荷主戸口と駅間の道路運送および貨車との積み降ろしは荷主負担であり,通常は荷主が通運事業者に請け負わせている。
執筆者:二宮 博
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報