1937年に,商務印書館の《辞源》に対抗して,中華書局で編纂刊行された中国の辞典。主編者は舒新城,沈頤(しんい)らで,1917年から20年を費やして完成した。所収単字は1万3000余,収める語彙は10万余。文字の配列は,部首に分け画引きで《康煕字典》《辞源》と同じ,音注も《音韻闡微(せんび)》の反切,直音を用い,《辞源》と同じである。引用書には書名篇名まで明示したこと,近世の詞曲中の俗語を大幅に採り入れたこと,新式標点法により書名人名を示したことをはじめ,語釈も含め,内容的に《辞源》にまさるところが多い。47年に縮印合訂一冊本が出版された。59年から舒新城主編で編纂し直され,62年には《辞海・試行本》16分冊が,65年には《辞海・未定稿》が出版された。79年には,三冊本として新版《辞海》が出版された。単字1万4827,語彙9万1706を収め,百科事典的要素が大きくなっている。また語詞,文学,哲学,芸術等がそれぞれ分冊で刊行されている。
執筆者:松尾 良樹
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…これが近代的体裁をそなえた国語辞書として最初のものである。山田美妙の《日本大辞書》(1892)はアクセントを注記した最初のものであり,この後,落合直文《ことばのいづみ》(1898),金沢庄三郎《辞林》(1907),上田万年・松井簡治《大日本国語辞典》(1915‐28),金沢庄三郎《広辞林》(1925),大槻文彦《大言海》(1932‐37),新村出《辞苑(じえん)》(1935),平凡社編《大辞典》(1934‐36),金田一京助《明解国語辞典》(1943),新村出《言林》(1949),金田一京助《辞海》(1952),新村出《広辞苑》(1955),日本大辞典刊行会編《日本国語大辞典》20巻(1972‐76)など,数多くの辞書があるが,この中で《大日本国語辞典》と《大言海》とは,語釈や古典の用例などが詳密であり,《大辞典》は固有名詞を含むのが特色である。 特殊辞書では,類義語を集めた志田義秀・佐伯常麿《日本類語大辞典》(1909),広田栄太郎・鈴木棠三《類語辞典》(1955),方言では東条操《全国方言辞典》(1951)および《標準語引分類方言辞典》(1954),外来語を集めた上田万年・高楠順次郎・白鳥庫吉・村上直次郎・金沢庄三郎《日本外来語辞典》(1915),荒川惣兵衛《外来語辞典》(1941),アクセントを示した神保格・常深千里《国語発音アクセント辞典》(1932),日本放送協会編《日本語アクセント辞典》(1943),漢字の故事熟語を集めた簡野道明《故事成語大辞典》(1907),池田四郎次郎《故事熟語大辞典》(1913),隠語を集めた楳垣実《隠語辞典》(1956)などがある。…
…もっともこれらの項目は各巻中においては,漢語音(ピンイン)字母の順に配列されているが,これはあくまでも検字の便宜を考えてのことであって,その構成は類書の伝統を継承したものと認めるべきである。このほか1979年に刊行された《辞海》を学問分野別の小百科事典に改編した同名の書が,80年に分冊で出版された。《辞源》《辞海》《辞通》といった辞典は辛亥革命の直後から編纂が始まり,改版を重ねながらいまなおその価値を失っていない。…
※「辞海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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