辻祭(読み)ツジマツリ

デジタル大辞泉 「辻祭」の意味・読み・例文・類語

つじ‐まつり【×辻祭(り)】

辻で行う道祖神地蔵祭り

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精選版 日本国語大辞典 「辻祭」の意味・読み・例文・類語

つじ‐まつり【辻祭】

  1. 〘 名詞 〙 社殿での祭礼に対し、辻での祭。また、村境広場にある道祖神や石地蔵の祭。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「天晴、午時許参上、未斜出御、此辺辻祭、二社被渡御前、其中一方頗副田楽等供奉」(出典:明月記‐建仁二年(1202)四月八日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「辻祭」の意味・わかりやすい解説

辻祭
つじまつり

辻は通常には道が十文字になっている所をさすが、そればかりでなく、山の峠を辻という地方もある。四つ辻や峠やまた村境といった所は、外部から入ってくるものを防ぎやすい所である。それで、古くはそこへサエ(塞)の神を祭り、日を定め、また臨時にもこれを祭った。これが辻祭である。『延喜式(えんぎしき)』には障神(さやるかみの)祭や蕃客送堺神祭(ばんかくさかいにおくるかみのまつり)の規定がある。『明月記』には、辻祭が盛大に行われ、田楽(でんがく)なども催されたようすが記されているが、これは場所が都であって、祭りが風流(ふりゅう)化したためであろう。近代に入ってからでも、関東・中部地方の村々では、悪疫が流行すると村境に注連(しめ)を張り、祈願をする風が少なくなかった。これを多くは「辻切り」といっていた。

[石塚尊俊]

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