透過型電子顕微鏡(読み)トウカガタデンシケンビキョウ

デジタル大辞泉 「透過型電子顕微鏡」の意味・読み・例文・類語

とうかがた‐でんしけんびきょう〔トウクワがたデンシケンビキヤウ〕【透過型電子顕微鏡】

電子顕微鏡の一。試料電子線を照射し、透過した電子線を磁場で屈折する電子レンズを用いて拡大・結像させる。光学顕微鏡に比べ分解能が極めて高く、0.2ナノメートル程度。細胞やウイルス内部の微細構造観察に適している。生体試料は厚さ10~100ナノメートルの乾燥切片にする必要がある。TEMテム(transmission electron microscope)。

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最新 地学事典 「透過型電子顕微鏡」の解説

とうかがたでんしけんびきょう
透過型電子顕微鏡

transmission electron microscope

1933年にE.Ruskaが開発した電子顕微鏡で,一様な電子流密度の電子線が透過可能な数百nm以下の薄い試料を透過し,対物レンズを含めて通常3段のレンズ系で拡大し蛍光板に結像させる装置TEMと略す。像は明視野像暗視野像に分けられる。明視野像(bright field(BF)image)は透過電子線による結像であり,回折を起こしている部分は回折点が対物絞りによりカットされ,黒い縞模様などに見える。暗視野像(dark field(DF)image)は対物絞りで透過波をカットし散乱波の一部を使って結像させた像。散乱波は透過波に比べ著しく弱いので,これによる像は全体として暗い。結晶性試料ではブラッグ反射を起こしている部分が明るく見える。

執筆者:

参照項目:高分解能透過型電子顕微鏡
参照項目:透過型電子顕微鏡像のコントラスト

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化学辞典 第2版 「透過型電子顕微鏡」の解説

透過型電子顕微鏡
トウカガタデンシケンビキョウ
transmission electron microscope

略称TEM.電子線の電子光学的結像を用いて試料の拡大像を得る電子顕微鏡のうち,もっとも一般的なもの.電子銃から発生した電子線は,集束レンズによって絞られた後,試料を透過して対物レンズで結像される.像は中間レンズによってさらに拡大されたあと,投影レンズで終像面に映し出される.試料を透過した電子線の大部分は直進するが,一部は試料の結晶面によってブラック反射される.前者を用いれば明視野像が得られ,これは試料組織の概略を知るために適しており,透過型電子顕微鏡観察でもっともよく用いられる.一方,後者では暗視野像が得られる.これは明視野像に比べてはるかに強度は弱いが,特定の結晶面や局所的な結晶の異常などの観察に適している.分解能は電子線の加速電圧によって決まる.通常,200 kV の加速電圧が使用され,0.1~100 μm の試料や構造を観察するのに適している.日本の電子顕微鏡技術は世界のトップクラスにあり,2000 kV もの加速電圧をもつ超高圧電子顕微鏡が製作されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「透過型電子顕微鏡」の解説

透過型電子顕微鏡

 透過電子顕微鏡,透過電顕ともいう.光の代わりに電子線を用いて,高度の拡大を可能にした顕微鏡.電子線が試料を透過することから命名されている.対語は走査電子顕微鏡.

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