逢坂の関(読み)オウサカノセキ

デジタル大辞泉 「逢坂の関」の意味・読み・例文・類語

おうさか‐の‐せき〔あふさか‐〕【逢坂の関】

逢坂山にあった関所三関の一。東海道東山道京都への入り口にあたる要所蝉丸せみまるが住んだという蝉丸神社関明神)がある。[歌枕
「これやこの行くも帰るも別れつつ知るも知らぬも―」〈後撰・雑一〉

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精選版 日本国語大辞典 「逢坂の関」の意味・読み・例文・類語

おうさか‐の‐せきあふさか‥【逢坂の関】

  1. 滋賀県大津市南方、逢坂山にあった関所。山は近江国と山城国とにまたがるが、この関自体は近江国に属する。大化二年(六四六)頃の設置といわれ、愛発(あらち)関に代わって三関の一つとなる。東海道、東山道の京都への入り口にあたる要所として知られた。蝉丸が住んだという蝉丸神社がある。東関。合坂関。逢坂。
    1. [初出の実例]「相坂の関しまさしき物ならばあかずわかるるきみをとどめよ〈難波万雄〉」(出典:古今和歌集(905‐914)離別・三七四)

逢坂の関の語誌

「逢坂」の地名契機として別離邂逅の感懐が詠まれることが多いが、「逢ふ」の語が掛け詞として使われ、「思やる心はつねにかよへども相坂の関こえずもある哉〈三統公忠〉」〔後撰‐恋一・五一七〕のように、この関を越えることが、男女の結ばれる意としても用いられるようになる。

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