逸文風土記(読み)いつぶんふどき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「逸文風土記」の意味・わかりやすい解説

逸文風土記
いつぶんふどき

和銅6 (713) 年,官命に基づき編纂された「古風土記」のうち,現在まで書物としては伝えられず,その一部が後代の諸文献に引用されて伝えられたものをいう。仙覚の『万葉集註釈』 (1269) ,卜部兼方 (うらべかねかた) の『釈日本紀』などに多く引用されている。逸文風土記の採集は林羅山の『諸国風土記抜粋』を先駆的業績とし,近世では今井似閑『万葉緯』,伴信友『古本風土記逸文』 (『諸国風土記逸文稿』) ,明治以後では栗田寛『纂訂古風土記逸文』,武田祐吉『風土記』,秋本吉郎『風土記』,久松潜一『風土記』に多数集められている。断片的なものもあるが,賀茂社の起源説話 (山城) ,浦島伝説 (丹波) ,伊香小江 (いかごのおえ) の伝説 (近江) など,興味深いものも少くない。

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