違格(読み)イキャク

デジタル大辞泉 「違格」の意味・読み・例文・類語

い‐きゃく〔ヰ‐〕【違格/違却】

律令制で、きゃくに反すること。〈書言字考節用集〉
道理からはずれること。不都合なこと。
「いらぬ化粧わざ、何とも―千万と」〈浄・薩摩歌
思惑がはずれて困ること。困惑
「嚢中十銭の札もなく、ほとんと―いたしたところ」〈伎・富士額男女繁山〉

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精選版 日本国語大辞典 「違格」の意味・読み・例文・類語

い‐きゃくヰ‥【違格・違却】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「却」は「格」のあて字 )
  2. 律令制で、現代の単行法令にあたる格(きゃく)違犯すること。違格の罪に問われた。→違式
    1. [初出の実例]「刀禰等不勘糺、科違格之罪」(出典類聚三代格‐一八・貞観一〇年(868)三月一〇日)
  3. 規則法則などに違反すること。一致しないこと。また、道理からはずれること。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「をろしの所、両人しらで、鼓と笛といきゃくす」(出典:四座役者目録(1646‐53)下)
  4. おもわくが違って、難儀、困惑すること。困却。当惑
    1. [初出の実例]「何をいふても御金の大分入(い)事故、いきゃく致します」(出典:談義本・地獄楽日記(1755)三)

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