千万(読み)せんばん

精選版 日本国語大辞典「千万」の解説

せん‐ばん【千万】

[1] 〘名〙
※天草本平家(1592)四「トウゴク カラ ノボッタ ツワモノ icuxenbanca(イクセンバンカ) アラウズレドモ」
② (多く副詞的に用いられて) 程度のはなはだしいさまやさまざまの状態であるさま。いろいろ。さまざま。はなはだ。きわめて。全く。
※蓮如御文章(1461‐98)一「いかやうにこころえられたる心中ぞや。千万(せんばん)心元なき次第なり」
※怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一五「御承知くだすったか。千万(センバン)(かたじ)けない」 〔通俗編‐目〕
[2] 〘接尾〙 形容動詞の語幹や性質や状態を表わす体言に付いて、その程度のはなはだしい意を添える。
※平家(13C前)一一「後悔千万かなしんでもあまりあり」
※東寺百合文書‐に・年未詳(室町)一〇月二六日・中沢元基書状「われわれめいわく千万候」

せん‐まん【千万】

〘名〙
① 万の千倍。一千万。転じて、ひじょうに数量が多いこと。多量。沢山。せんばん。
※菅家文草(900頃)四・冬夜閑思「千万思量身上事、窓間報得欲明天」
※平家(13C前)五「生きたる人のまなこの様に大のまなこどもが千万(センマン)〈高良本ルビ〉いできて」
※太平記(14C後)一八「は千万懸合(かけあひ)の軍に打ち負くる事あらば、楯籠らん為の用意也」

ち‐よろず ‥よろづ【千万】

〘名〙 数の限りなく多いこと。無数。せんまん。千五百万(ちいおよろず)
万葉(8C後)六・九七二「千万(ちよろづ)の軍(いくさ)なりとも言挙(ことあげ)せずとりて来ぬべき男とそ思ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「千万」の解説

せん‐ばん【千万】

[名](多く副詞的に用いる)
さまざま。いろいろ。はなはだ。まったく。「千万心を砕く」「千万かたじけない」
「返事に堪へかねて、思案すること―なり」〈仮・伊曽保・上〉
万が一にも。万一。
「是は―蒐合(かけあひ)の軍(いくさ)にうち負くる事あらば」〈太平記・一八〉
[接尾]形容動詞の語幹や性質・状態を表す体言に付いて、その程度がはなはだしいという意を添える。「無礼千万」「迷惑千万

せん‐まん【千万】

万の千倍。転じて、非常に数の多いこと。

ち‐よろず〔‐よろづ〕【千万】

限りなく多い数。無数。「千万の神々」

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