祖阿(読み)そあ

改訂新版 世界大百科事典 「祖阿」の意味・わかりやすい解説

祖阿 (そあ)

室町時代初期の同朋(どうぼう)衆。生没年不詳。1401年(応永8)に派遣された遣明船正使瑞渓周鳳の《善隣国宝記》によると,応永の初年に明から帰った博多商人肥富(こいつみ)が足利義満に日明通交の利益を述べ,これを聞いて義満は使船の派遣にふみきったという。このとき祖阿が正使に選ばれ,肥富は副使にされた。《吉田家日次記》は,祖阿のことを〈遣唐使遁世者素阿弥〉と書いている。この記事から祖阿は,当時将軍側近雑用をつとめた同朋衆の一人であったことが推定される。同船は1402年に帰国した。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「祖阿」の解説

祖阿
そあ

生没年不詳。室町幕府第1回遣明船の正使。足利義満は博多商人の肥富(こいつみ)の意見をとりいれて,1401年(応永8)に日明貿易にふみきった。そのときの正使が祖阿で,副使は肥富。祖阿は明使天倫道彝(てんりんどうい)らをともなって帰国し,日明関係を開く糸口となった。将軍に近侍して雑用をつとめる同朋衆(どうぼうしゅう)だったとみられる。以後の遣明船の正・副使は五山関係の僧から選ばれ,同朋衆が選ばれたのは異例のこと。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「祖阿」の解説

祖阿 そあ

?-? 室町時代の遣明使(けんみんし)。
室町幕府の同朋衆(どうぼうしゅう)で,応永8年(1401)足利義満(よしみつ)による第1回遣明船の正使。副使は派遣をすすめた博多商人肥富(こいつみ)。翌年明使天倫道彝(てんりん-どうい),一庵一如(いちあん-いちじょ)と帰国。のち連歌宗匠職をつとめた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「祖阿」の意味・わかりやすい解説

祖阿
そあ

室町時代の僧。室町幕府第3代将軍足利義満は,幕府財政窮乏を打開するため,博多商人肥富 (こいとみ) の献議を入れて応永8 (1401) 年第1回の遣明船を派遣した。祖阿はこのとき正使として明におもむき,翌年明使天倫道彝,一庵一如を伴って帰国した。

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