日本大百科全書(ニッポニカ) 「選果機」の意味・わかりやすい解説
選果機
せんかき
果実などを出荷するにあたって商品価値を高めるために、大きさ、重さ、形、色合いなどによる選別(品ぞろえ)をする機械をいう。個々の農家が利用する比較的小型のものと、共同選別施設などで利用する大型のものがある。
農家が利用する選果機の多くは、大きさや重さにより選別するものである。大きさによる選果機は、穴の大きさやすきまの違いを利用したものが多く用いられており、構造が単純で機械の価格も安価である。また、重さにより選別する選果機は、バランス秤(はかり)や電子秤を利用したものがある。
一方、共同選別施設で利用されている選果機は、大きさや重さによる選別に加えて、形や色合い等の評価も可能なものが普及しており、これらの評価手法はカメラ画像による方式が主流である。1990~2000年代に、果実の甘さ(糖度)を評価する選果機が開発され、モモ、ミカン、リンゴ、メロン、スイカ等で利用されている。また、共同選別施設での選別では、果実を搬送コンベヤーから振り分ける方式に、果実を落とさず、果実同士がぶつかることなく別のコンベヤーへ受け渡す技術が開発され、導入されている。
[大森定夫]