酒折宮(読み)さかおりのみや

日本歴史地名大系 「酒折宮」の解説

酒折宮
さかおりのみや

[現在地名]甲府市酒折三丁目

中央本線酒折駅北西の山裾にある。祭神は日本武尊。旧指定村社。かつては坂折さかおり村の産土神八幡宮地内に鎮座していた。「古事記」景行天皇条には日本武尊が東征の帰途甲斐国に立寄り、「酒折宮」で休息をとっていた際に「新治 筑波を過ぎて 幾夜か寝つる」と詠じたところ、傍らにいた火焼の老人が「かがなべて 夜には九夜 日には十日を」と続けて詠じた。尊はこの老人を誉めて「東の国の造」に任じたという。またこれが連歌の発祥とされ、その故地とされている。この逸話は「日本書紀」にも景行天皇四〇年のこととしてみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報