宮内省被管の令制の官司の一つで采女を管理する。職員は男官で,正(かみ)(長官)・佑(じよう)(判官)・令史(さかん)(主典)各1人,采部(うねべ)6人,使部(しぶ)12人,直丁(じきちよう)1人。令制前には采女氏が采女の管掌者であったが,大宝令(701)により采女司が確立した。采女氏は令制下でも引き続き司の官人や采部に補任されている。司は采女の名帳管理,後宮の水司・膳司等の諸司への配分,勤務評定を行う。807年(大同2)の采女貢進の一時停止に伴い,翌年中務省被管の縫殿寮(ぬいどのりよう)に併合されたが,812年(弘仁3)に再置された。881年(元慶5)には要劇田8町4段余が山城国に置かれた。采女司領や采女田は15世紀にも見える。後に,正は医道・陰陽道の官人から補任されるようになった。
執筆者:石上 英一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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