日本大百科全書(ニッポニカ) 「重力測量」の意味・わかりやすい解説
重力測量
じゅうりょくそくりょう
gravity survey
地球上の各地点での重力を測る測量。同一の振り子を各地で振らせ、その周期の差を精密に測る振り子式重力計による方法、おもりをつけたばねの伸縮を各地で精密に測るばね式重力計を用いる方法、真空中の物体の落下速度を精密に測る落下法などがある。測量された値に対しては、観測点が海面すなわち等ポテンシャル面上にない場合はそれを海面上の値に補正するためのフリーエア補正、またそのとき海面までの間の山地などの物質による重力値の補正をするブーゲー補正を行わねばならない。重力測量の結果はジオイドの形状を決定するのに用いられ、人工衛星や大陸間ロケットの軌道を精密に定めるのに役だつ。また石油その他の地下資源の探査や、物体の重さを測定する秤(はかり)の校正にも用いられる。日本には基準重力点約40点、一等重力点約180点が設置されている(2016年時点)。
[尾崎幸男・辻 宏道 2016年11月18日]