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重力異常 じゅうりょくいじょうgravity anomaly

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

重力異常
じゅうりょくいじょう
gravity anomaly

実測した重力あるいはそれに各種の補正をしたあとの値と標準重力との差をいう。補正の種類によって,ブーゲー異常フリーエア異常,アイソスタティック異常などが定義され,用途に応じて使われる。重力異常データから地球内部の物質の分布に関する知識が得られる。重力探査は重力異常から地下資源を探索する調査である。

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デジタル大辞泉の解説

じゅうりょく‐いじょう〔ヂユウリヨクイジヤウ〕【重力異常】

地球物理学測地学において、地球を楕円体とみなした場合に緯度から理論的に求められる標準重力と、実際の重力の実測値の間に見られるずれ。

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百科事典マイペディアの解説

重力異常【じゅうりょくいじょう】

地表での重力の実測値と地球を回転楕円体ジオイド)とした時の重力の理論値(緯度Φの関数)との差の総称。この差は,地球の形が厳密な回転楕円体ではないこと,測定地点の高度,地殻構造の不均一さなどによって生ずる。
→関連項目アイソスタシー鉛直線

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世界大百科事典 第2版の解説

じゅうりょくいじょう【重力異常 gravity anomaly】

重力の主成分は地球を構成する物質に起因する万有引力であり,万有引力の法則からわかるように測定点に近い物質ほど引力として強い影響を与えるのであるから,重力の測定値は測定点近傍の地下構造に左右される。地下構造に起因する重力値の過大(小)を重力異常という。過大(小)とは正規重力(重力)に比較してのことである。 重力異常を求めるには測定値に二,三の補正を加えなくてはならない。まず,通常地表にある測定点における測定重力は周囲の地形による引力を含んでいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

重力異常
じゅうりょくいじょう
gravity anomaly

重力の実測値の標準重力値からのずれ。標準重力とは、自転する地球楕円(だえん)体上での重力のことで、赤道上で最小、両極上で最大となるような緯度の関数で表される。現在広く用いられている標準重力の式は、1979年に国際測地学地球物理学連合(IUGG)の総会で採用が決められたもので、正規重力式とよばれる。実際の重力測定は高度の異なる点で行われるので、重力異常にはいくつかの補正が必要である。このうち、フリーエア補正は、高度による地球の引力の違いを、ジオイドなど同一の基準面上の値に引き戻すことで取り除くもので、この補正を加えた重力異常をフリーエア異常とよぶ。ブーゲー補正は、観測点と基準面間の物質の引力の影響を除くもので、この補正は、観測点付近の地形も考慮して地形補正とともに計算されることが多い。フリーエア異常にブーゲー補正を加えたものがブーゲー異常である。重力異常の変化は地下の密度分布を反映したものであり、地下資源探査や地下構造研究の基礎資料として重要である。しかし、重力異常の解析だけからでは、地下構造が一義的に決まらないことが多く、人工地震などの資料とあわせて解析されるのが普通である。人工地震により推定された地殻構造から理論的な重力異常を計算してみると、実測値との間に有意な差の認められることがあり、上部マントル構造の地域性が反映したものと考えられている。[吉井敏尅]
『河野芳輝・古瀬慶博著『日本列島重力異常図』(1989・東京大学出版会)』

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世界大百科事典内の重力異常の言及

【アイソスタシー】より

…今日,地震波の伝わり方や人工地震の実験から得られる知見によれば,エアリーのモデルが実際の姿に近い。 アイソスタシーが成立すると,山地においてブーゲー異常(重力異常)は負の値をとる。ブーゲー異常⊿gと山の高さHとの間には,およそ⊿g=abHの関係がある。…

【重力】より

…JGSN75に含まれる重力点のうち,重力値が最大なのは稚内の980622.73mGalであり,最小は石垣島の979006.06mGalである。
[重力異常と地殻構造]
 重力実測値を正規重力値と比較して各地点の重力値が過大であるか過小であるかを知ることができる。この過大(小)量を重力異常という。…

※「重力異常」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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