朝日日本歴史人物事典 「金井烏洲」の解説
金井烏洲
生年:寛政8(1796)
江戸後期の画家,画論家。上野国(群馬県)島村の豪農の生まれ。うしゅうとも読む。名は泰,字を林学,通称左仲太,烏洲の他に朽木翁,白沙邨翁などと号した。若いころ来遊した春木南湖に画を学び,江戸に上って谷文晁の門に出入りした。また画僧雲室らの詩の結社,小不朽吟社の詩画会にも参加した。帰郷して家を継いでからも長期にわたって西遊,この間頼山陽や篠崎小竹らと交わった。少量の墨でかすれるように描く焦墨渇筆を多用したみずみずしい山水図表現に特色がある。代表作に「月ヶ瀬探梅図巻」(東京国立博物館蔵)。<著作>「無声詩話」(坂崎坦編『日本絵画論大系』1巻)
(小川知二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報