金方(読み)キンカタ

デジタル大辞泉 「金方」の意味・読み・例文・類語

きん‐かた【金方】

資金を出す人。金主
「―があって商売をはじめた」〈鏡花・白鷺〉

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精選版 日本国語大辞典 「金方」の意味・読み・例文・類語

きん‐かた【金方】

  1. 〘 名詞 〙
  2. きんしゅ(金主)
    1. [初出の実例]「『何にいたせ代物が正真でござります故、そこを見込みに引受けまする積りで、今日は代金も持参いたしました』『それぢゃあ今日は金方(キンカタ)だな、ちっと浮かれるがいいわな』」(出典歌舞伎八幡祭小望月賑縮屋新助)(1860)序幕)
  3. 江戸時代、浅草蔵前の札差手代(ふださしてだい)の役名の一つ。御蔵金場へ出頭し、鑑札を納め、石代金を請取り、米方に渡した。

かね‐かた【金方・銀方】

  1. 〘 名詞 〙 金を貸してくれた人。債権者
    1. [初出の実例]「内証で八貫目の質に入れたを前の銀方が聞付、それとはなしに此月の三日限に」(出典:浄瑠璃・大経師昔暦(1715)上)

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普及版 字通 「金方」の読み・字形・画数・意味

【金方】きんほう

西方

字通「金」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の金方の言及

【興行】より

…上方の興行機構は江戸と異なり,興行権の所有者を〈名代(なだい)〉,劇場の持主を〈芝居主〉,興行師でしかも芸の実力と人気を兼備した役者や太夫を〈座本(ざもと)〉(江戸時代中期以降は〈仕打(しうち)〉が職掌として代行)とよび,この3者が提携して興行主体を構成した。なお江戸でいう金主・金方(きんかた)を上方では銀主(ぎんしゆ)・銀方(ぎんかた)といい,興行上の収益も損害も,分散させて処理していく分業システムが採用されていた。 明治維新を迎えると,演劇興行に関する幕府の諸条例が廃止され,1872年(明治5)9月に東京では府令が発布された。…

※「金方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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