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金融活動作業部会 キンユウカツドウサギョウブカイ

デジタル大辞泉の解説

きんゆうかつどう‐さぎょうぶかい〔キンユウクワツドウサゲフブクワイ〕【金融活動作業部会】

ファトフ(FATF)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金融活動作業部会
きんゆうかつどうさぎょうぶかい
Financial Action Task Force

麻薬、賄賂(わいろ)、脱税にかかわるマネー・ロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与への国際的な対策を協議する政府間機関。略称FATF(ファトフ)。1989年にフランスで開催されたアルシュ・サミット経済宣言を受けて設けられた。パリの経済協力開発機構(OECD)内に事務局を置き、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、中国、ロシア、インド、ブラジルなどの主要国を中心に、2015年10月時点で世界の34か国・地域と2国際機関(ヨーロッパ委員会、湾岸協力理事会)が加盟している。
 犯罪にかかわる資金洗浄を防ぐための国際協力が当初の目的で、1990年に資金洗浄防止のために各国がとるべき法制・金融制度基準として本人確認や疑わしい取引の報告など「40の勧告(The Forty Recommendations of the Financial Action Task Force on Money Laundering)」を提言した。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ後は、テロ資金への対策にも取り組み、テロ資金供与に関する「9の特別勧告(Nine Special Recommendations on Terrorist Financing)」を策定した。2000年からは資金洗浄対策に非協力的な国・地域を公表するなど、加盟国・地域が勧告を遵守するように促すという指導的役割も担っている。2012年には「40の勧告」と「9の特別勧告」を統合し、大量破壊兵器の拡散に関与する者への金融制裁などを盛り込んだFATF勧告を策定。2015年には、仮想通貨が資金洗浄に使われるリスクがあると報告している。
 日本はFATF勧告などに基づき、1991年(平成3)に麻薬特例法、1999年に組織的犯罪処罰法を制定。2007年(平成19)1月には本人確認法施行令を改正し、本人確認できないATMの現金振込額について1回あたり10万円以下に制限した。2008年3月には不動産、宝石、クレジットカード業にも本人確認を厳格に求める犯罪収益移転防止法を完全施行した。しかし、日本の金融機関口座を悪用した資金洗浄は後を絶たず、FATFが求める国際組織犯罪防止条約も主要国では日本だけが締結していない。このため、日本はマネー・ロンダリング天国とよばれている。なお、FATF勧告は国際条約ではないため法的拘束力はないものの、遵守しなければ、欧米金融当局から海外での事業停止・外国通貨決済停止などの処分を受けるおそれがある。[矢野 武]

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