朝日日本歴史人物事典 「鈴木芙蓉」の解説
鈴木芙蓉
生年:宝暦3(1753)
江戸中・後期の画家。信州(長野県)飯田に生まれる。名は雍。字は煕,号は老蓮。通称新兵衛。江戸に出て,谷文晁の師渡辺玄対に画を学んだといわれ,また林家で儒学を学び,多くの文人と交わった。のちに文晁が大成させた江戸南画の一翼を担った。寛政8(1796)年阿波(徳島)藩主蜂須賀氏に召されて,藩の御用絵師となったが,芙蓉は儒者として招かれなかったことに大変落胆したという。代表作に寛政10年の「那智山大瀑雨景図」(静嘉堂文庫蔵)がある。
(河野元昭)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報