鉄明礬(読み)テツミョウバン

デジタル大辞泉 「鉄明礬」の意味・読み・例文・類語

てつ‐みょうばん〔‐ミヤウバン〕【鉄明×礬】

鉄を含む明礬総称アンモニウム鉄明礬・カリウム鉄明礬など。媒染剤や分析試薬などに使用

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精選版 日本国語大辞典 「鉄明礬」の意味・読み・例文・類語

てつ‐みょうばん‥ミャウバン【鉄明礬】

  1. 〘 名詞 〙 硫酸鉄III )アンモニウム。化学式 Fe(NH4)(SO4)2・12H2O 淡紫色、等軸晶系結晶。媒染剤に用いられる。鉄アンモニウム明礬。硫酸第二鉄アンモニウム。〔鉱物字彙(1890)〕

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化学辞典 第2版 「鉄明礬」の解説

鉄ミョウバン
テツミョウバン
iron alum

通称ミョウバンとよばれるM M(SO4)2・12H2Oのうちで,一般に M = Feのものをいうが (M = K,NH4,Rb,Cs,TIなど),さらに M = Kのもの(鉄カリウムミョウバン[CAS 13464-29-1])のみををさすこともある.市場では,M = NH4のもの(鉄アンモニウムミョウバン[CAS 7783-83-7])のほうが多く使われているため,これを鉄ミョウバンということもある.結晶は,いずれも [Fe(H2O)6]3 による淡紫色を帯びる.媒染剤として用いられる.

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百科事典マイペディア 「鉄明礬」の意味・わかりやすい解説

鉄ミョウバン(明礬)【てつみょうばん】

(図)型の複塩。純粋なものはいずれも無色の結晶で,互いに混晶をつくる。一般に不純物として微量マンガンを含むため淡紫色を帯びる。カリウム塩,アンモニウム塩が普通。カリウム塩は水によく溶け,アルコールに不溶,比重1.83。媒染剤,分析試薬として用いられる。
→関連項目ミョウバン(明礬)

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改訂新版 世界大百科事典 「鉄明礬」の意味・わかりやすい解説

鉄ミョウバン(明礬) (てつみょうばん)

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世界大百科事典(旧版)内の鉄明礬の言及

【擬ミョウバン(擬明礬)】より

…しかし実際には結晶水が24のものが存在するかどうかは明確でない。たとえば鉄ミョウバン(halotrichite)FeIISO4・Al2(SO4)3・22H2Oは,硫酸を含む熱水溶液が火成岩に作用して生ずる単斜晶系の鉱物である。また苦土ミョウバン(pickeringite)MgSO4・Al2(SO4)3・22H2Oは単斜晶系の鉱物で,やはり岩石が硫酸に侵された場合にみられる。…

【ミョウバン(明礬)】より

…MI=NH4のときがアンモニウムミョウバン(古くはアンモニアミョウバンといった)などである。これに対しMI=Kで,MIIIのAlをCr,Feなどで置き換えたものはクロムミョウバン,鉄ミョウバンのように呼ぶ。さらにMIのKを他の陽イオンで置き換えたもの,たとえばMI=NH4,MIII=Feの場合はアンモニウム鉄ミョウバンのようにいう。…

※「鉄明礬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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