鉄血勤皇隊(読み)てっけつきんのうたい

共同通信ニュース用語解説 「鉄血勤皇隊」の解説

鉄血勤皇隊

太平洋戦争末期の沖縄戦で、沖縄県内の中等学校師範学校男子生徒によって編成された学徒隊名称。2017年刊行の「沖縄県史」によると、下級生が配置された「通信隊」も含め14~19歳の男子約1500人が動員され、約800人が戦死した。沖縄師範学校の生徒は第32軍司令部に配属され、住民に情報工作する「千早隊」、ごう掘りや爆撃で破壊された道路や橋の修理を担う「野戦築城隊」、司令部壕前の立哨などに就いた「斬込隊」に分散された。

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百科事典マイペディア 「鉄血勤皇隊」の意味・わかりやすい解説

鉄血勤皇隊【てっけつきんのうたい】

太平洋戦争末期の沖縄で,戦闘要員として動員された男子中学生。日本軍史上初の14〜17歳の学徒隊で,徴兵年齢に達していない少年を動員した。当時の沖縄県庁から軍に提出された学徒名簿をもとに少年たちを動員,中学生は親の承諾印をもらうため実家に帰り,ほとんどの生徒が学校に戻ってきたという。陣地構築,伝令や通信,さらに斬り込み隊として自爆攻撃をした者もいた。伝令などは同じ文書を3人に持たせ,そのうち1人だけがたどり着くような任務であった。従軍1780人中890人もの死者を出した。壕は糸満市摩文仁(まぶに)の丘に建つ慰霊碑,健児の塔の裏手にあり,火炎放射器による攻撃の跡が残っている。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「鉄血勤皇隊」の解説

鉄血勤皇隊
てっけつきんのうたい

太平洋戦争末期の沖縄で,1944年(昭和19)12月第32軍司令部の指示により,師範学校・中等学校の男子生徒から組織された学徒隊。翌年4月の米軍上陸に際して,陸軍二等兵として通信隊などに配属されたが,総数1780人中890人が戦死するという多大の犠牲をだした。

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