軍隊,または国家の人的・物的資源を,平時の態勢から戦時の態勢に,あるいは戦時の態勢からさらに強度な臨戦態勢に移すことをいう。旧日本軍では,陸軍はこれを軍動員と軍需動員に分け,海軍では出師(すいし)準備といった。軍動員は,陸軍の編成を平時状態から戦時態勢にすることをいい,軍需動員は,軍の編成・運用に必要な物資の供給,輸送,研究,整備等についての組織と業務を,軍の運用を最も効率的に支援しうるように,戦時の態勢に移すことをいった。海軍では,これらをあわせて出師準備といい,準備の度合に応じて,第1着作業,第2着作業に区分した。科学技術の進歩と戦争様相の複雑化により,近代戦は,平戦両時の区分を明確にしえないようになり,各国ともに,動員がなくても作戦を可能にするため,平時から戦時に近い態勢をとるようになった。しかし,依然として兵力の拡充・補充を円滑にし,また特に軍需物資の運用を効率的にするため,動員の計画を定め,即応態勢をとるのが普通である。なお,国家総動員とは,一切の人的・物的,有形・無形の資源を国防目的達成のため統制運営することをいう。
執筆者:塚本 勝一
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