江戸時代,銀で額面を表示した紙幣。藩札・私札のうち大部分を占めたが,1868年(明治元)の銀目廃止にともなって,多くの藩で金札や銭札に改めた。匁・分を貨幣単位とする銀札は金札に比べて小額で,額面単位の刻みも多くできたため種類も豊富で,発行者にとっても重宝であった。原則として銀貨との交換が発行者によって保証されたが,乱発によって減価したり,交換が困難になる事態もみられた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…これは保証準備額の固定を避けた点で,より多く銀行主義的であるといえる。
[日本]
日本日本における広義の紙幣の発展史をみると,古くからの記録に残っているものには後醍醐天皇の時代(1319‐39)の楮幣(ちよへい),南北朝末期吉野地方の手形(組合札),慶長年間(1596‐1615)以後の伊勢の端書(はがき)(羽書),元和年間(1615‐24)の大坂の銀七分札(元和札),伊勢の丁銀札,堺の銀札など局地的な紙幣の発行がある。江戸中期以後,諸藩および旗本の封内で通用した国札(藩札),慶応年間(1865‐68)以後の幕府の金札の出現によって広範な通用力をもつ政府紙幣の発行をみる。…
…江戸時代に諸藩が発行した紙幣。最初の藩札は1661年(寛文1)越前国福井藩で発行した銀札であった。藩札の発行に先立って,江戸初期には伊勢,大和,河内,和泉,摂津の諸地域で私札の発行が見られ,それが寛文期以降における藩札の続発を生むに至った。…
※「銀札」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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