長巻(読み)ナガマキ

デジタル大辞泉 「長巻」の意味・読み・例文・類語

なが‐まき【長巻】

長太刀長柄をつけ、革または組みひもで柄を巻き、つばをつけた武器戦場で、人や馬の足をなぎ倒すのに用いた。長巻の太刀

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精選版 日本国語大辞典 「長巻」の意味・読み・例文・類語

なが‐まき【長巻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「ながまき(長巻)の太刀」の略 ) 柄(つか)全体革緒組緒で長く巻きつめた長柄の太刀。〔随筆・仙台間語(1764)〕
    1. 長巻<b>①</b>〈細川澄元像〉
      長巻細川澄元像〉
  3. を持って戦場に立つ兵士
    1. [初出の実例]「小々性十人許、使番之者十騎、長巻五十人」(出典:太閤記(1625)八)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「長巻」の意味・わかりやすい解説

長巻
ながまき

「長巻の太刀(たち)」の略という。太刀の柄(つか)を1メートル余の長さとしたもので、長大な野太刀の発生と同じく、斬撃(ざんげき)戦用の武器として案出された。江戸期に至って混同されたように、柄長(えなが)で、石突(いしづき)をつけて、長刀(なぎなた)に類似し、またかえって長刀の形式にも影響したが、本来は太刀がその原形であるので、鞘(さや)はないものの、鐔(つば)をつけ、長い柄には一部分に組糸や革で巻き締めた柄巻(つかまき)も施される。『結城(ゆうき)合戦絵詞(えことば)』や、1507年(永正4)成立の「細川澄元(すみもと)出陣影」にすでに描かれるから、室町中期には盛行していたものであろう。

[齋藤愼一]

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