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長期停滞理論 ちょうきていたいりろんtheory of secular stagnation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

長期停滞理論
ちょうきていたいりろん
theory of secular stagnation

1930年代後期の世界恐慌時におけるアメリカ経済の停滞を説明するものとして A.H.ハンセンが唱えた学説。彼はこの時期のアメリカ経済の後退は景気循環の一局面と異なり,資本主義の成熟に伴う経済の構造変化によるものであるとし,その原因として 20年代までのアメリカ経済の成長を支えてきた3つの要因,(1) 人口増加,(2) 技術進歩,(3) 新領土,新資源の発見による経済的フロンティアの拡大が消滅したことをあげている。これらの成長要因の消滅により投資機会が縮小し,有効需要の慢性的不足を招き,長期停滞を生じる。したがって彼は長期停滞から脱出するためには連邦政府の公共支出の増大による有効需要の創出が必要であると説いた。彼の理論は J.M.ケインズの所得決定理論のアメリカへの適用といえる。第2次世界大戦後の経済繁栄の前に長期停滞理論は姿を消したが,経済成長の要因としての投資を重視する立場は残り,その後の成長理論,動態経済学に大きな貢献をした。

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