長登鉱山(読み)ながのぼりこうざん

日本歴史地名大系 「長登鉱山」の解説

長登鉱山
ながのぼりこうざん

[現在地名]美東町大字長登

長登と北方あかとの境、たきした中腹および山頂に鍾乳洞を利用した多くの採掘口が残る。坑道内は屈曲し、洞壁には石灰華が付着し緑青も吹き出ている。

奈良の大仏を鋳造する時、当地の銅を献上したと伝えるが(注進案)、かなり古くから開発されていたことは確かであろう。年次不詳ながら天文末年頃と思われる香山常栄寺文書(「美東町史」所引)に「大田長登銀山」とある。

近世に入り毛利氏は、領内の重要鉱山を直轄経営し、山奉行を派遣して生産に努めたため、長登鉱山も大盛おおもり(大生産)を迎えた。長登鉱山は鉱山の集中している場所であり、長期にわたって採掘が続いた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の長登鉱山の言及

【美東[町]】より

…山間地で,町の北西部に秋吉台があり,中央部を厚東(ことう)川の支流大田川が南流する。古くから鉱山が開発され,長登(ながのぼり)鉱山は奈良の大仏を鋳造するとき,銅を献上したという伝えがある。天保期(1830‐44)の末ごろには休山したが,近代に入ってからも一時期採掘された。…

※「長登鉱山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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