門立(読み)かどたち

精選版 日本国語大辞典 「門立」の意味・読み・例文・類語

かど‐たち【門立】

〘名〙
① (「かどだち」とも) 門口に立っていること。門前にたたずむこと。
※車屋本謡曲・鉢木(1545頃)「なうなう是程の大雪に何とて門立をばめされ候ぞ」
浮世草子世間娘容気(1717)四「門立(カドダチ)の歌ざいもんに銭米をつかんでとらさせ」
遊女が門口に立って、なじみの客が来るのを待つことをいう遊里語
俳諧・西鶴大矢数(1681)第二「帯かゆるひは世界の貌 門立のもろこし様に続く者は」

もん‐りゅう ‥リフ【門立】

〘名〙 門の前に立つこと。特に近世、遊女が夕刻になって客待ち顔に立つこと。
※浮世草子・椀久一世(1685)上「門立(モンリフ)時分にて浜辺松陰人待顔なるを見て」

かど‐だち【門立】

※俳諧・ありそ海(1695)秋「門立のたもとくはゆる小鹿かな〈其角〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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