特定の産品に無税または低関税の輸入枠を設定する制度。枠を超えた輸入には高関税を課し、国内の生産者を保護する。枠内の税率は1次税率、枠外は2次税率と呼ばれる。現在、日本には農産品を中心に19品目の関税割り当てがある。多くは関税貿易一般協定(ガット)ウルグアイ・ラウンドの結果、市場開放の一環として導入された。
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特定の商品の輸入に際し、一定の輸入数量までは低税率あるいは無税(一次税率)とし、その割当枠を超えたものに対しては高税率(二次税率)を適用する二重税率制度。割当量は、原則として、当該商品の国内需要量から国内生産量を差し引いた数量(必要輸入量)である。この制度は、できるだけ安く輸入品を手に入れたいという国内の需要者の要求に低い一次税率でこたえる一方、高い二次税率で国内の生産者を保護することを目的としている。関税割当制度は輸入量を直接制限するものではないが、二次税率適用の貨物は自由に輸入できても、税率を高くすると輸入は事実上不可能となり、輸入量割当に近い効果をもつ。これは、WTO(世界貿易機関)の理念からいえば好ましいものではないが、WTOは無差別適用を条件としてこの制度を認めており(ガット13条5項)、アメリカ、ヨーロッパ連合(EU)などで採用している。日本でも1961年(昭和36)に、国内生産者と需要者の利害を調整しながら貿易の自由化を円滑に進める措置として導入された。2000年(平成12)現在、ミルク、クリーム、ナチュラルチーズ、とうもろこし、麦芽、繭など21品目30枠に適用されている。なお、関税割当数量の割当方式には、先着順方式と過去の輸入実績に基づく事前割当方式とがあるが、日本では後者の方式を採用している。
[秋山憲治]
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