防ぐ(読み)フセグ

デジタル大辞泉 「防ぐ」の意味・読み・例文・類語

ふせ・ぐ【防ぐ/×禦ぐ/拒ぐ】

[動ガ五(四)]《古くは「ふせく」》

㋐敵の攻撃を抑える。敵に侵害されないようにする。「本土への侵攻を―・ぐ」
㋑好ましくないものを、さえぎって中へ入れないようにする。「窓を二重にして寒さを―・ぐ」
好ましくない事態が生じないようにする。「二次感染を―・ぐ」「混乱を―・ぐ」
[可能]ふせげる
[類語]防止食い止める支える受け止める

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「防ぐ」の意味・読み・例文・類語

ふせ・ぐ【防・禦・拒】

  1. 〘 他動詞 ガ五(四) 〙 ( 古くは「ふせく」 )
  2. 攻撃をおさえる。敵が侵入して来ないように守る。ほせく。ほそく。
    1. [初出の実例]「新羅人(しらきひと)の拒(フセク)に因(よ)りて、皆(みな)加羅国(からくに)に留(ととま)れり」(出典:日本書紀(720)応神一四年二月(北野本訓))
  3. さえぎって及ばないようにする。さえぎりとどめる。
    1. [初出の実例]「跡を匝羅(さふら)の表(ほか)に竄(かく)し、高麗の貢(みつき)を阻(フセキ)て、百済(くたら)の城(さし)を呑む」(出典:日本書紀(720)雄略九年三月(前田本訓))
  4. 災いや好ましくないことが起こらないように、前もって注意したり準備したりする。
    1. [初出の実例]「スコシノ アヤマリヲ fuxeganeba(フセガネバ) ヲウキナ トガヲ スル モノ ヂャ」(出典:天草本伊曾保(1593)燕と諸鳥の事)

防ぐの語誌

名義抄」では諸本すべてフセクであり、「平家正節」にも清符が付されており、室町時代の節用集には、フセクとフセグが混在している。このことから、南北朝時代頃までは、清音であったと推定される。「日葡辞書」やロドリゲス日本大文典」になると、フセグだけを載せている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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