陣代(読み)ジンダイ

デジタル大辞泉 「陣代」の意味・読み・例文・類語

じん‐だい〔ヂン‐〕【陣代】

室町時代以後、主君代理として戦陣に赴いた役。また、主君が幼少のとき、一族または老臣などで軍務政務を統轄した者。軍代

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精選版 日本国語大辞典 「陣代」の意味・読み・例文・類語

じん‐だいヂン‥【陣代】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 室町時代以後、主君に支障がある時、代わって戦場におもむく役。また、主君が幼少の時、代わって軍務・政務をとる役。軍代。陣代官
    1. [初出の実例]「信勝十六歳の時家督なり。其間は陣代を四郎勝頼と申し付け候」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品三九)
  3. 主君の留守を守る役。地方の代官。
  4. 江戸時代、武士が自分の勤番を子どもや他人に代行させること。また、その人。人代とも書き、番代・名代ともいう。
    1. [初出の実例]「割田新兵衛子十五歳迄為陣代走廻候」(出典加沢記(1692頃)五)
  5. 他人に代わって軍陣に加わること。また、その人。
    1. [初出の実例]「兵士の員に募られたる者は金を以て陣代の人を買ふ可し」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉二)

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世界大百科事典(旧版)内の陣代の言及

【後見】より

…後見となる人は,個々の氏や家では近親の有力者が通例であったが,朝廷,幕府,大名など公的機関では非血縁の有力臣下が務めることもあった。 戦国時代武士の間には,軍事的必要から陣代・番代と呼ばれる特殊な後見人が存在した。これは未成年の被後見人に代わり封的(軍事的)勤務に服するほか,被後見人の所領を管理・収益し,彼に堪忍分(かんにんぶん)を与えてこれを扶持(ふち)するものであった。…

※「陣代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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