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旋頭歌 せどうか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

旋頭歌
せどうか

古代の歌謡,和歌の一形式。5・7・7・5・7・7音を基本とする。記紀歌謡に4首,『万葉集』に 62首収録されているが,『万葉集』も中期頃までのものがほとんどであり,それ以後はごくまれで,歌体としての生命は尽きたとみられる。それは,この歌体が歌謡の世界に生れ,歌謡独自のかけあい的対立様式を濃厚にもっており,そのため短歌のように個人の抒情詩へ転換することが困難であったためと考えられる。従来,頭歌は片歌問答が発達し自問自答の形をとるようになって成立したとみられていたが,独立の片歌の存在の見出しがたい点から,逆に旋頭歌や短歌の上句もしくは下句の独立したものが片歌であるとする説が有力である。

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デジタル大辞泉の解説

せどう‐か【旋頭歌】

《頭を旋(めぐ)らすで、下3句が上3句と同じ句形を反復するところから》和歌一体。五・七・七・五・七・七の6句を定型とする歌。片歌(かたうた)唱和から起こったといわれ記紀万葉集などにみえる。双本歌(そうほんか)。双本(ひたもと)。

せんどう‐か【旋頭歌】

せどうか(旋頭歌)

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百科事典マイペディアの解説

旋頭歌【せどうか】

5・7・7・5・7・7の6句形式の歌。片歌を繰り返した形である。上代に多く,記紀歌謡にみられ,《万葉集》にも60余首があるが,平安時代になるとほとんど姿を消し,《古今和歌集》《千載和歌集》などに数首あるにすぎない。
→関連項目大伴坂上郎女桂園一枝短歌定型反歌和歌

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世界大百科事典 第2版の解説

せどうか【旋頭歌】

長歌,短歌などとともに和歌の歌体の一種で,5・7・7・5・7・7の6句からなる。旋頭歌の〈旋〉は〈めぐる〉の意である。つまり頭句にめぐる,かえるの意で,くり返しうたう歌の意の名義と解される。《歌経標式》では〈双本歌〉と呼んでいる。《万葉集》に62首あってこれが大半であるが,ほかに《古事記》《日本書紀》《古今集》《拾遺集》《千載集》,そして《琴歌譜》などにわずかずつ収められている。もともとは5・7・7の片歌(かたうた)形式による問答,唱和だったと解すべきだろうとされる。

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大辞林 第三版の解説

せどうか【旋頭歌】

和歌の一体。五七七五七七の六句から成る歌。記紀・万葉などに見える。

せんどうか【旋頭歌】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

旋頭歌
せどうか

(こうべ)を旋(めぐ)らす歌、あるいは、頭に旋る歌、の意か。五七七、五七七の六句形式の歌の称。「新治筑波(にいはりつくは)を過ぎて幾夜(いくよ)か寝つる」(倭建命(やまとたけるのみこと))「かがなべて夜(よ)には九夜(ここのよ)日には十日を」(御火焼(みひたき)の老人(おきな))のやりとり(『古事記』)のように、五七七を繰り返すことから「旋頭」と称したと考えられる。この形式の成立をめぐっては、五七七の片歌(かたうた)を2人によって問答したのが後に1人の作者によってつくられるようになった、という片歌問答起源説が有力である。しかし、片歌は、独立的な歌の形式ではなく、組歌のなかで、一定の特別なありようにおいて三句形式が音楽的に現出するところをそうよんだものとみられる。片歌問答は、その片歌を音楽性を離れて独立化して利用したのであり、旋頭歌の源とはいえない。
 旋頭歌は、『万葉集』中の存在状況として、作者分明のものでは柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)以前にはみず、「住吉(すみのえ)の小田(をだ)を刈らす子奴(やつこ)かも無き 奴あれど妹(いも)が御(み)ためと私田(わたくしだ)刈る」(巻7)をはじめとして『人麻呂歌集』に過半数が集中するという偏在からも、一般的な歌謡形式とは認めがたい。三句プラス三句という二段構造を強く保持していて、唱(うた)われる形であることは確かであるが、それは唱和の形式(とくに短歌を本末で唱和する形)を利用したものとして考えられる。その成立には人麻呂の関与が大きいと思われる。[神野志隆光]

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