雲客(読み)ウンカク

デジタル大辞泉 「雲客」の意味・読み・例文・類語

うん‐かく【雲客】

平安中期以後、清涼殿に昇ることを許された者。堂上方どうじょうがた殿上人てんじょうびとを総称する。雲の上人うえびと。⇔地下じげ
一門卿相けいしゃう、―数十人」〈平家・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「雲客」の意味・読み・例文・類語

うん‐かく【雲客】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「うんがく」とも )
  2. 雲中の人。仙人。〔水経注‐沮水〕
  3. 平安中期以後、清涼殿に昇ることを許された者。四位五位のうち昇殿を許された者、及び六位蔵人(ろくいのくろうど)をいう。殿上人(てんじょうびと)。雲の上人(うえびと)。⇔地下(じげ)
    1. [初出の実例]「北左、南右、去四月分雲客左右」(出典左経記‐長元八年(1035)五月一六日)

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普及版 字通 「雲客」の読み・字形・画数・意味

【雲客】うんきやく

仙人。

字通「雲」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の雲客の言及

【貴族】より

…平安時代も中・末期になると,有位者の増大などによって位階の社会的評価も相対的に低下し,昇殿の制が新しい身分制として重んぜられるようになった。昇殿を許された四位・五位の廷臣は,殿上人とか雲客と呼ばれ,昇殿を許されない地下(じげ)の官人との較差を広げる一方,公卿の見習的な存在となり,近世では公卿も含めて堂上(とうしよう)と呼ばれ,公家貴族の総称となった。第4は皇親貴族の出現である。…

【殿上人】より

…宮中において昇殿を許された四位,五位の者の称。雲の上人(うえびと),雲上人(うんじようびと),雲客(うんかく),堂上(とうしよう)ともいう。殿上は清涼殿の殿上の間をいい,ここには,公卿(くぎよう),殿上人,六位の蔵人(くろうど)が伺候した。…

※「雲客」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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