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電荷転送デバイス でんかてんそうデバイスcharge-transfer device

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

電荷転送デバイス
でんかてんそうデバイス
charge-transfer device

半導体(おもにシリコン Si)の表面上に形成された絶縁膜(おもに厚さ 0.1~0.2μmの二酸化シリコン SiO2)上に幅数μm~数十μmの多数の電極(転送電極)が数μm以下に近接して配列した構造をもち,電極に加える電圧を変化させることにより電極下の絶縁膜近くの半導体中に蓄積した信号電荷電子または正孔)を順次転送させることのできる半導体素子。CTDと略称される。構造と動作法の違いにより,バケット・ブリゲード・デバイス bucket-brigade device; BBDと電荷結合素子 charge-coupled device; CCDとに分かれる。n型半導体を用いた例について示すと,BBDでは,信号電荷(正孔)が p+型領域に蓄積されていて,右隣の電極に負の電圧を加えると,右隣の電極の下の p+型領域の電位が低くなり,信号電荷がこの p+型領域に移動して転送が行なわれる。CCDでは,電極に負の電圧を加えて電極の下の半導体中に空乏層を形成し,この空乏層中に信号電荷(正孔)が蓄積される。隣の電極にさらに大きな負の電圧を加えると,隣の電極の下の空乏層の電位がより低くなるため,信号電荷は隣の空乏層中に移動し転送が行なわれる。いずれも信号電荷の初めの導入は電気的にあるいは光の照射により行なわれる。BBDは 1968年に,CCDは 1969年にアメリカ合衆国で発明された。ともに MOS型集積回路作製と同じ技術で集積化でき,記憶,演算,光電変換などの機能をもつため,アナログ信号処理,撮像などの応用分野も同じであるが,BBDは転送損失が大きく高速動作が難しいため,CCDを用いたデバイスの応用開発研究が進められ,イメージセンサとして実用化された。

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世界大百科事典内の電荷転送デバイスの言及

【CCD】より

…charge coupled deviceの略。電荷結合デバイスあるいは電荷転送デバイスともいう。半導体の上に作られた電極に次々と電圧をかけていくことにより,半導体中のキャリアを量を保ったまま移動させていく素子。…

※「電荷転送デバイス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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