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霍小玉伝 かくしょうぎょくでんHuo Xiao-yu zhuan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

霍小玉伝
かくしょうぎょくでん
Huo Xiao-yu zhuan

中国,唐の伝奇小説。蒋防の作。大暦の詩人李益は長安滞在中,遊女の霍小玉と深い仲となったが,任官して郷里に帰ると母親の言うがままの結婚をする。捨てられた小玉は病に倒れ,父親の遺品の紫玉釵を手放すほど困窮し,その後義侠の士の計らいでやっと李益と再会するが,その場で男の薄情を恨みながら世を去る。そのたたりか李益は妄想的な嫉妬にかられるようになり,不幸な家庭生活をおくった。李益は実在の中唐期を代表する詩人 (748~827) で,彼が妻に対して嫉妬深かったことも『唐書』に記されている。この作品はそれに因縁話をつけて誇張したもので,おそらく李益の死後に書かれたものと思われる。明の湯顕祖の戯曲『紫釵記』はこの物語に基づいている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

霍小玉伝
かくしょうぎょくでん

中国、唐代の伝奇小説。蒋防(しょうぼう)作。中唐期の著名な詩人で、いわゆる大暦十才子(たいれきじっさいし)の一人である李益(りえき)(748―829?)を主人公とする。李益は若いころ、落魄(らくはく)の貴婦人、霍王の娘と称する小玉と将来を誓うが、のち母親に勧められるままに従妹(いとこ)の盧氏(ろし)をめとる。やがて李益は、ある男の計らいで、傷心のあまり病床につくようになった小玉のもとを訪れるが、小玉は怨(うら)みのことばを残して息絶えた。その後李益はたいへんな焼きもち焼きになり、妻を何度かめとったが、いずれも彼の嫉妬(しっと)によって不幸な最期を遂げてしまう。この物語は、作者蒋防が、時の政界において、反対派に属していた李益を嘲笑(ちょうしょう)するためにつくったものともいわれる。[高橋 稔]
『高橋稔・西岡晴彦訳『中国の古典32 六朝・唐小説集』(1982・学習研究社)』

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