露時雨(読み)ツユシグレ

デジタル大辞泉 「露時雨」の意味・読み・例文・類語

つゆ‐しぐれ【露時雨】

露が一面におりて時雨にぬれたようになること。また、草木においた露が、時雨の降りかかるようにこぼれること。 秋》「父恋ふる我を包みて―/虚子

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精選版 日本国語大辞典 「露時雨」の意味・読み・例文・類語

つゆ‐しぐれ【露時雨】

〘名〙
① 露としぐれ。《季・秋》
※新古今(1205)秋下・五三七「露時雨もる山かげの下紅葉ぬる共をらん秋のかたみに〈藤原家隆〉」
晩秋ころ、しぐれのように一時さっと降る雨。《季・秋》
※至宝抄(1585)「露時雨 初時雨は冬也。霧などかいづれ秋の道具結び候へば秋なり」
③ 露がいっぱいおりて、しぐれが降ったようになること。また、草木の葉などに露がたくさんたまって、そのしたたるさまがしぐれの降るようであること。《季・秋》
※続春夏秋冬(1906‐07)〈河東碧梧桐選〉秋「露時雨方十尺を踏ましめず〈観魚〉」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「露時雨」の意味・わかりやすい解説

露時雨
つゆしぐれ

時雨が通り過ぎたあとのように、あたり一面に露が降りている状態。空から降水があったわけではなく、地上水蒸気が凝結したものである。露が降りる夜は、風が弱く晴れ上がっていることが多い。

[平塚和夫]

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「露時雨」の解説

露時雨
メリヤス
つゆしぐれ

歌舞伎浄瑠璃外題
初演
安永5.9(江戸市村座)

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