青海勘七(読み)せいかいかんしち

改訂新版 世界大百科事典 「青海勘七」の意味・わかりやすい解説

青海勘七 (せいかいかんしち)

江戸時代前期の塗師。生没年不詳。元禄年間(1688-1704)に江戸で活躍し,青海波塗創始。青海波塗法は絞漆(しぼうるし)を薄く塗り,生乾きの間に鋸歯状の篦(へら)や,猪毛または真鍮(しんちゆう)の刷毛はけ)で波文を描く手法で,漆器や刀装具を塗装したが,図案としての青海波は当時流行して染物陶器にも応用された。この塗法が有名となり,姓にもなった。後継者には,津軽塗の創始者といわれる池田源兵衛があり,この塗法を伝えている。
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関連語 忠臣 郷家

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「青海勘七」の解説

青海勘七 せいかい-かんしち

?-? 江戸時代前期の漆工
元禄(げんろく)(1688-1704)のころの人。粘稠(ねんちゅう)な漆と特殊な刷毛(はけ)をもちいて波文をえがく青海波塗を考案した。その手法は,陸奥(むつ)弘前(ひろさき)藩(青森県)の津軽塗にもとりいれられている。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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