非線形回路(読み)ひせんけいかいろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「非線形回路」の意味・わかりやすい解説

非線形回路
ひせんけいかいろ

使用される回路素子定数抵抗インダクタンス)が非線形である(電圧電流と比例しない)電気回路をいう。一般に計算が容易でなく、線形微分方程式や重ね合せの原理は適用できない。実際の回路は、厳密にいえばほとんどが非線形回路であると考えられるが、時間の範囲を限定すれば、回路素子の定数が線形となるので、線形回路として取り扱っている場合が多い。したがって非線形回路という場合は、とくに鉄心入りコイルなどの回路素子、トランジスタ真空管ダイオードなどの非線形領域を利用するときの回路をさしている。

[岩田倫典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「非線形回路」の意味・わかりやすい解説

非線形回路
ひせんけいかいろ
nonlinear circuit

入力出力とが比例しない (線形関係にない) 素子,たとえば可飽和鉄心を含むコイル,負性抵抗や,トランジスタのような能動素子非線形素子といい,それらを含む電気回路を非線形回路という。非線形回路では高調波振動や分数周波振動による波形のひずみが生じる。負性抵抗を含むと自励振動を発生するので,発振器に用いられる。

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