トルーマン・ドクトリン(英語表記)Truman Doctrine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トルーマン・ドクトリン」の意味・わかりやすい解説

トルーマン・ドクトリン
Truman Doctrine

1947年3月アメリカの H.トルーマン大統領が打出した反共対外援助政策。アメリカの大統領が公式に東西冷戦の存在を認め,対決の決意を表明した戦後初めての対外政策である。 46年頃よりギリシア内戦が激化し,トルコ情勢も微妙だったが,イギリスは財政上の困難から援助の継続が不可能となり,その旨アメリカに通告した。そこで 47年3月 12日トルーマンはイギリスに代りギリシア,トルコに援助する立法措置を議会に要請,さらに全世界的規模での反共封じ込め政策 (→コンテインメント ) の必要を強調した。同年5月議会はギリシアに3億ドルの軍事・経済援助を,トルコに1億ドルの軍事援助を与える法案を可決し,両国に軍事顧問を派遣する権限を大統領に与えた。その後 48年のマーシャル・プラン,49年の北大西洋条約機構 NATOの設立などソ連圏諸国を包囲する西側の軍事同盟網が拡充され,両陣営の対立は激化した。

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