四訂版 病院で受ける検査がわかる本 「頭部血管造影検査」の解説
頭部血管造影検査
脳内の動・静脈や毛細血管の異常を調べる検査です。頸動脈に細い針を刺すので検査後は出血に注意し、6時間は病室のベッドで安静にします。
脳動脈瘤の診断、出血部位の判定に有用な検査
頭部血管造影検査は、頭部の血管にX線を透さない造影剤(ヨード系薬剤など)を注入してX線撮影し、動脈、静脈、毛細血管の異常を観察する検査です。
動脈にコブができている動脈
これらはいずれも、クモ膜下出血の原因になります。クモ膜下出血や脳出血による出血部位の判定、また脳腫瘍の存在なども診断します。
なお血管の検査は、最近ではこの検査よりも、頭部CT(→参照)やMR(→参照)が主体で行われています。
障害部は白く写る
写真A、Bともに右の
■脳動脈瘤
中大脳動脈の分岐部の直前に脳動脈瘤が白く写っている(マルで囲んだ部分)。
■脳動静脈奇形
頭頂部に脳動静脈奇形が認められる。
検査時間は30~40分
頸動脈に細い針を刺して(
入院して検査します。検査前に鼠径部の毛を切り(除毛)、尿道カテーテルを留置し、また筋肉注射(鎮静剤)と点滴をします。検査台にあお向けになり、右側の鼠径部に局所麻酔の注射をします。麻酔が効いたら大腿動脈に針を刺し、カテーテル(細いプラスチックの管)を挿入して、頭部の頸動脈や
検査時間は30~40分です。終了したら事前に用意しておいた前あきの
出血に注意し、安静を守る
検査のため、前あきの浴衣とT字帯を用意します。前日の夕食は普通ですが、当日の朝は絶食です。造影剤注入時に
ヨード剤にアレルギーのある人や妊娠中あるいはその可能性のある人は検査できません。医師にその旨を告げてください。
医師が使う一般用語
「のうアンギオ」=脳のangiography(血管造影) の略
出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報