顕著な事実(読み)けんちょなじじつ(その他表記)gerichtkundige Tatsache

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「顕著な事実」の意味・わかりやすい解説

顕著な事実
けんちょなじじつ
gerichtkundige Tatsache

公知事実と,裁判所に顕著な事実の両者をいう。裁判所に顕著な事実とは,裁判所が職務を行うにあたって知った事実で,客観的に明白な事実である。公知の事実は,歴史的事件や大災害などの通常の知識経験をもった一般人が疑わない程度に知れ渡っている事実をいう。ある事実が顕著であるかどうかは事実認定の問題であり法律問題ではないから,これに対する不服上告理由とはならない。顕著な事実はその客観性のために証明を要しない。つまり職権探知主義のもとでも証明を要せずに事実を確定することができる。ただし,弁論主義のもとでは,顕著な事実でも主要事実については当事者弁論で陳述したものでなければ判決資料となしえない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 職権探知主義

関連語をあわせて調べる

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む