日本歴史地名大系 「飯石郡」の解説
飯石郡
いいしぐん
〔古代〕
「出雲国風土記」の飯石郡飯石郷に「本の字は伊鼻志」とあり、同郷内に祭神伊志都弊命が降臨したことから、もと「いびし」といったと推測される。風土記には
「延喜式」神名帳には飯石郡の小五座が記され、三屋神社(風土記では御門屋社、現三刀屋町の三屋神社に比定)、多倍神社(風土記では多倍社、現佐田町の多倍神社に比定)、飯石神社(風土記では飯石社、現三刀屋町の飯石神社に比定)、須佐神社(風土記では須佐社、現佐田町の須佐神社に比定)、川辺神社(風土記では河辺社、現木次町の河辺神社に比定)がある。「出雲国風土記」では、波多小川・飯石小川に「鉄あり」とみえ、砂鉄採取がうかがえる。仁寿元年(八五一)一二月一五日飯石郡の百姓に復(庸・調などの課役を免除すること)一年を賜い(文徳実録)、貞観六年(八六四)一〇月一日農産宜しからざるにより飯石郡の百姓に課役復二年を賜うとある(三代実録)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報