須佐神社(読み)スサジンジャ

デジタル大辞泉 「須佐神社」の意味・読み・例文・類語

すさ‐じんじゃ【須佐神社】

島根県出雲市佐田町須佐にある神社祭神須佐之男命すさのおのみことほか。須佐大宮。

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精選版 日本国語大辞典 「須佐神社」の意味・読み・例文・類語

すさ‐じんじゃ【須佐神社】

  1. [ 一 ] 島根県出雲市佐田町にある神社。旧国幣小社。祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)・稲田姫命(いなだひめのみこと)・足名槌命(あしなずちのみこと)・手名槌命(てなずちのみこと)。須佐大宮。
  2. [ 二 ] 和歌山県有田市千田(ちだ)にある神社。旧県社。祭神は素戔嗚命。和銅六年(七一三)の創建と伝える。お千田さん。

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日本歴史地名大系 「須佐神社」の解説

須佐神社
すさじんじや

[現在地名]有田市千田

千田ちだの南部、高田たかた(現有田市)へ抜ける中山なかのやまにある。祭神素盞嗚すさのお命。旧県社。所在地一帯は古代には須佐郷(「和名抄」東急本)に含まれ、「万葉集」巻一一に「あぢの住む渚沙すさの入江」とうたわれる「渚沙」との関係が説かれている。「続風土記」は社伝によるとして、和銅六年(七一三)一〇月初亥の日に、大和国吉野よしの郡西川峰より移祠、初め祠は西海に向かっていたが、洋中往来の船で当社に恭謹しないものは翻覆破砕されたので、元明天皇が勅して祠を南面させたと記す。また伊太いたきそ神社(現和歌山市)との関係が深く、伊太曾神社が現在の社地に遷宮したのも和銅六年一〇月初亥日であり、「此年月の同じきも蓋し故あることならん」という。


須佐神社
すさじんじや

[現在地名]佐田町宮内

神戸かんど川支流の須佐川南岸に所在する。須佐大宮ともいう。祭神は須佐之男命ほか三柱。旧国幣小社。「出雲国風土記」には飯石いいし郡須佐社、「延喜式」神名帳には須佐神社とみえる。境内から道を隔てた東側に天照あまてらす神社が相対し、この社を上の御前かみのごぜんとよんでいる。創建時期は不明であるが、風土記には飯石郡の筆頭に須佐社があり、神祇官が存在することからこの時期にすでに社殿は成立し、須佐郷は当社を中心として開発が進んだことが考えられる。鎌倉初期に出雲国造の一族が須佐郷司であったように、杵築大社(出雲大社)との関係をもっていた。鎌倉期のものと推定される兵庫鎖太刀(国指定重要文化財)を所蔵する。天文年間(一五三二―五五)と推定される五月一日の尼子晴久書状(須佐文書)によると、尼子氏が「須佐大明神」に刀と馬を寄進しており、同二四年には尼子晴久とその子義久が、須佐郷を支配した本城常光とともに、十三所大明神建立の大檀那となっている。


須佐神社
すさじんじや

[現在地名]甲奴町小童

小童ひち川中流域西岸の山際に鎮座。「小童の祇園さん」の名で親しまれ、祭神は素盞嗚尊。旧郷社。「三代実録」貞観三年(八六一)一〇月二〇日条に「備後国正六位上大神々、天照真良建雄神並授従五位下」とある神社が当社であるという伝えがあるが確証はない。小童保が京都祇園社領として成立した平安時代末期に、その神霊を勧請した荘園鎮守社として創建されたと考えるのが一般的であろう。


須佐神社
すさじんじや

[現在地名]御坊市塩屋町南塩屋

森岡もりおかの東端に鎮座し、もと武塔ぶとう天神社と称した。近世の山田やまだ荘九ヵ村の産土社であった。祭神素盞嗚すさのお命・天照あまてらす大神ほか八柱。旧村社。社伝によれば、往昔大蛇に苦しめられた荘内の人々が、熊野詣の道者の助言により素盞嗚命を祀ったという。勧請に際して一時鎮座した南塩屋みなみしおやの浜を須佐すさもとと称する。「続風土記」には「古き祭文あり、其文によれは天満天神武塔天神蔵王権現の三座を祀れるなり」とある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「須佐神社」の意味・わかりやすい解説

須佐神社
すさじんじゃ

島根県出雲(いずも)市佐田(さだ)町須佐に鎮座。主祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)。『出雲国風土記(いずものくにふどき)』は、この神が自らの御魂をここに鎮め給(たも)うたと記す。式内社で、宮内など8か村の総氏神となり、中世には祭田200石を有したと伝えるが、山中幸盛(ゆきもり)(鹿之介(しかのすけ))らに奪取され、文禄(ぶんろく)の検地太閤(たいこう)検地)以後は社領10石、のち30石に増した。古来農耕殖産・延寿の神として住民の信仰が厚く、武将藩主の崇敬も受けた。旧国幣小社。例祭4月18、19日。切明(きりあけ)神事(8月15日、県の無形文化財)は、花笠(はながさ)を着けた6人が鉦(しょう)、太鼓をたたいてはだしで踊り、念仏踊の名で知られる。大社造の本殿は県の重要文化財、社宝に尼子晴久(あまごはるひさ)奉納の兵庫鎖太刀(ひょうごぐさりのたち)(国の重要文化財)がある。

[平井直房]


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百科事典マイペディア 「須佐神社」の意味・わかりやすい解説

須佐神社【すさじんじゃ】

島根県簸川(ひかわ)郡佐田町(現・出雲市)に鎮座。旧国幣小社。須佐之男(すさのお)命をまつる。延喜式内社とされる。例祭のほかに竜王舞神事,百手(ももて)神事,切明(きりあけ)神事がある。
→関連項目佐田[町]

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デジタル大辞泉プラス 「須佐神社」の解説

須佐神社〔島根県〕

島根県出雲市、須佐川のほとりにある神社。延喜式内社。主祭神・須佐之男命(すさのおのみこと)の終焉の地と伝えられ、須佐大宮ともいう。ほかに稲田比売命(いなだひめのみこと)、足摩槌命(あしなづちのみこと)、手摩槌命(てなづちのみこと)を祀る。切明神事は県の無形文化財。

須佐神社〔広島県〕

広島県三次市甲奴町の小童(ひち)地区にある神社。祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)。地元では「おごっさん」とも呼ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内の須佐神社の言及

【佐田[町]】より

…山地が広く,林業が盛んで,シイタケ栽培,酪農も行われる。須佐神社は《出雲国風土記》に記載されている古社で,毎年8月15日に念仏踊が奉納される。【清水 康厚】。…

【甲奴[町]】より

…米作,畜産,野菜やタバコの栽培が盛んで,畜産は牧草地の造成やサイロ建設など企業的経営をとり入れている。須佐神社は〈小童の祇園さん〉の名で親しまれ,毎年7月の祇園祭は近郷の参拝者でにぎわう。JR福塩線が通じる。…

【行橋[市]】より

…東部海岸の長井浜と蓑島は北九州市から海水浴や潮干狩などの行楽客が多く筑豊県立自然公園に含まれる。御所ヶ谷の神籠石(こうごいし)(史)や,今井の祇園祭の連歌奉納で知られる須佐神社など文化財に富む。【土井 仙吉】。…

※「須佐神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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